「静かな渋い布」幻の木綿織物”丹波布”
静かに佇む綿布の息遣いが聞こえてきませんか?
民藝運動の父「柳宗悦(やなぎむねよし)氏」が見出し復刻させた兵庫県丹波地方の幻の木綿織物「丹波布」糸紡ぎ・糸染め・織り・それら全てを人の手によって行い生み出される綿布の温もりをどうぞ感じてください。
国指定選択無形文化財・兵庫県伝統的工芸品指定
【産地】兵庫県丹波市青垣町
【品質】綿
【使用染料】藍 栗 ヤシャブシ
【製造元】あおがき丹波布工房
【長さ】約500cm
【着用時期】9月頃~翌年6月頃(袷~単衣の季節)
途絶えていた織物を現代に蘇らせた幻の織物「丹波布(たんばぬの/たんばふ)」
綿を手で紡いで糸を作り、草木で染め、人の手で織り上げる・・縞や格子の柄が織り出された素朴で味わい深いこの綿布を手に取ればなんとも言えないほっこりとした気持ちにいざないでくれるに違いありません。
藍を基調とした草木染めの魅力が一杯に詰まった木綿織物 丹波布
シンプルな縞模様の中に民芸味を感じ思わず見入ってしまいます。そこに人の温もりや情熱という目に見えないスパイスが込められているからなのでしょうか。

丹波布とは
江戸末期から明治の初めまでは丹波佐治地方で盛んに生産されていた綿織物(丹波布)ですが、産業革命など時代の流れにのみこまれ一時は衰退しその技術は途絶えてしまいました。
その綿織物はどのようにして復刻されたのでしょうか。それは昭和の初め「民芸運動の父 柳宗悦(やなぎむねよし)氏」が京都の朝市で偶然見つけた綿布の素朴な美しさに魅了されたことが発端です。柳氏は工芸研究家の上村六郎に産地の特定を依頼し、その布が丹波佐治地方で織られていたものだと突き止めました。そして昭和28年に上村氏の指導により再現され、同29年に地元保存会が発足されました。
伝統の技とは一度途絶えてしまうとそれを蘇らせるためには本当に難しく大変なことなのです。糸作りから、染め、織に至るまでの技を過去の文献や残された布を頼りに研究を重ねてようやく新たに生み出されました。そして地元の方々の努力により現在でもこの素朴で美しい布を手に取ることが出来るのです。
以前は縞貫(しまぬき)または佐治木綿(さじもめん)と呼ばれていましたが、柳宗悦氏が「日本工芸」で”丹波布”と紹介したことからその名が広く知れ渡り通名となりました。
ざっくりとした素朴な美しさから、柳宗悦氏に「静かな渋い布」と称されたほどの逸品です。これは決して煌びやかで人の目を楽しませる為の芸術作品ではありません。民衆の生活の中に溶け込んだ実用的な美しさなのです。それこそが民藝の本質であり、柳氏の目に留まった理由なのでしょう。
この軽くてざっくりとしながらも木綿のふっくら感も併せ持つ丹波布は、単衣の季節にもピッタリです。単衣から袷までお使いいただける贅沢なカジュアル帯を是非お手元にお迎えください。
草木染の味わい・手織りの温もり
本品は「藍・栗・夜叉撫し(ヤシャブシ)」で手紡ぎされた綿糸を染色し、高機によって手織りされています。
草木染の魅力とはいったい何なのでしょう?化学染料の方が時間も早く、確実に均一な色に染めることが出来ます。でもなぜ人は草木染に魅かれるのでしょうか。
草木染は絶対的な色を表現する化学染料と異なり有機的な不純物が混ざり合い目に見える色の奥に別の色が見え隠れします。そしてこれは深みや味わいと言った抽象的な言葉で表すしか無いのです。
そこには”色の揺らぎ”といった不確かさが存在し、それによって人は心地良さを感じるのかもしれません。
また手織りは、緯糸の打ち込みを織り手さんの絶妙な力加減によって調節する事で余計な力が糸にかからず優しくしなやかな風合いに織り上がります。布の声を聴きながらトントン トントンと時に力強く時に優しく丹念に織り進めていく作業は当然の如く熟練の技が求められます。
草木染の深み、手織りの温もり、そして木綿の安らぎ 手作りの素晴らしさが詰まった希少な一品 それが丹波布なのです。
そして丹波布の特徴の一つとして【絹つまみ糸】と呼ばれる「屑繭から紡ぎだした絹糸」が緯糸のほんの一部に織り込まれるのですが、本品をルーペで見てもその存在が確認できませんでした。一部には織り込まれていないものもあると聞いたことがあるのですが こういった濃藍の無地場の多い色の中に白く光る絹糸が入ることの違和感が入っていない理由なのかもしれません。
※ラベルには「綿 一部絹」と表記されていますが 全て共通ラベルの為なのか もしかすると木綿糸の中に埋もれて表面に現れていないだけかもしれません。
国指定選択無形文化財
丹波布は国指定選択無形文化財に指定されています。重要無形民俗文化財(人々が日常生活の中で継承してきた無形文化財の中で特に国が重要であると指定されたもの)以外の民芸文化財の中で、記録・保存・公開に対して経費の一部を国が補助するものとして文化庁長官によって選択された無形文化財の事で、国から伝統の技術を守る為に指定されたものになります。
女性らの手で生み出される「丹波布」は優しさだけでなく女性の力強さや生命力といった魅力をも表現されているように私の目には映ります。
業者の人間でも滅多にお目にかかる事のない希少な綿布「丹波布」を是非お手元にお迎えいただければ幸いです。
お洒落着として袷や単衣の紬の着物とコーディネートしてお楽しみ下さい。
※価格にお仕立て代は含まれておりません。
※お仕立てをご依頼の場合には、本ページ内に設置のオプションからそれぞれの項目をお選びください。※本品は天然の草木染料を使用しておりますので多少の色落ちが発生する場合がございます。
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【お仕立てについて】
【八寸名古屋帯】
1「松葉仕立て」
1,620円
手先から約38cm(1尺)半分に折ってかがります。
※最も一般的なお仕立て方法です。
※手先が半分になっているので締めやすくなっています。
2「平仕立て」
1,620円
手先を半分に折らずに全て平らのまま仕立てます。
※胴巻部分の帯巾を調節したい方におすすめです。
【ガード加工】※水をはじく加工です。
【お仕立て+ガード加工】
4,860円

※帯は国内ミシン仕立てです。
※手縫いをご希望の場合には別途3,240円かかります。(オプションより選択)
※お仕立て期間 約20日