【産地】沖縄県
【製織法】道屯織(ロートン織) 手織り
【品質】絹100%
【製作】首里織工房 宮平一夫
【着用時期】9月頃~翌年6月頃(袷・単衣の季節)
【長さ】仕立て上がり;約370cmにさせていただきます。
※ご希望の長さがございましたら、ご購入手続きの際 フリー記入欄からお知らせください。
※最大約410cmまで対応可能
深みのある優美な紫地に、緻密に計算された浮織模様が端正なリズムを刻む、宮平一夫氏による首里ロートン織九寸名古屋帯。 首里織の復興に尽力し、人間国宝に認定された母・宮平初子氏の卓越した技と精神を受け継ぎ、熟練の美意識によって織り上げられた至高の逸品です。 琉球王朝時代には王族や貴族のみに着用が許されたとされるロートン織ならではの立体的な織組織は、光を受けて絹特有の艶を湛え、重厚なのに透明感を感じさせる神秘的な奥行きを放ちます。シャンパンゴールドのすっきりとした縞にエンジとグリーンの差し色が気品を添え、伝統の格式の中に現代の装いにも美しく映えるモダンな幾何学美が息づいています。 上質な紬や御召し、小紋。また、色無地に合わせてもお洒落と、幅広く調和し、帯周りを凛と引き締めます。宮平家の偉大な血脈と確かな手仕事が宿る、装う喜びを心から実感していただける贅沢品です。
人間国宝・宮平初子が命を吹き込んだ「首里織」
首里織を語る上で、決して欠かすことのできない人物がいます。人間国宝・宮平初子氏(1922–2022)がその人です。
沖縄戦の戦火によって、琉球王府時代から受け継がれてきた伝統の織物は消滅の危機を迎えました。焼け野原になった故郷で、手に入らない糸の代わりに初子さんが手にしたのは米軍のパラシュート紐。それを釘を打ち付けた簡素な道具を機(はた)に見立て、文字通りゼロから布を織り始めました。手元に残るわずかな古裂と自らの記憶だけを頼りに、幻と消えかけた「花倉織」や「道屯(ロートン)織」といった高度な至高の技法を次々と蘇らせました。
過去の再現にとどまらず、現代を生きる人のための装いへと昇華させ、産地の未来を切り拓いた彼女は、1998年、沖縄の女性として初めて人間国宝に認定されるまでに至ったのです。
幾重もの困難を越えて紡がれた、凛とした美しい布。今私たちが手にする首里織のひと筋ひと筋には、美を諦めなかった宮平初子さんの情熱と誇りが確かに息づいています。
首里織
琉球王府の気品、時代を超えて進化し続ける伝統美
かつて琉球王国の城下町・首里で育まれ、王族や士族のみが着用を許された最高峰の織物「首里織」。14〜15世紀の大交易時代にもたらされた東南アジアの絣(かすり)や中国の精緻な紋織物が融合し、花倉織や道屯織といった独自の高度な技法が確立されました。
明治の王府解体による琉球処分、そして第二次世界大戦による焦土化という二度の存続危機に見舞われながらも、戦前に柳宗悦らが持ち帰った日本民藝館に遺された資料の研究などを通じて奇跡の復興を遂げました。
現代の首里織は、単なる過去の再現にとどまりません。南国特有の鮮やかな原色の伝統を受け継ぎつつ、現代の生活空間や都市の街並み、装う人の肌に美しく馴染む淡く柔らかな色彩、そして実用性を高めた布へと進化を遂げています。琉球王国の栄華と職人たちの不屈の情熱が糸一本一本に宿る首里織は、今も我々の暮らしに優雅な彩りを添える伝統美の結晶なのです。
ロートン織 道屯織
ロートン織の特徴は、平織の地に経糸(たていと)を浮かせて織り出す、立体的な模様です。何本かの緯糸を覆い被せるように包み込み経糸を連続して浮かせると、光を受けて絹本来の光沢が際たちます。柄として浮かび上がる繊細な陰影が、布地に優雅な奥行きと洗練された品格を与えます。
沖縄の伝統に裏打ちされた高度な手技が息づく幾何学的な意匠は、凛としたクラシカルな美しさと、現代の装いにも調和するモダンさを兼ね備えています。主張しすぎない上質な気品を纏いたい方にふさわしい、贅沢な織物です。
手織りの温もり 締め心地の良さ
琉球沖縄の織物は全て手織りによって製織されています。
この手織物を眺めていると
”トン ♪トントン♪”
南国の穏やかな風と強い日差しの中で織り進められる機織りの音が聞こえてくるようです。
布の声に耳を傾けながら絹をいたわるように、それでいてしっかりと緯糸を打ち込む作業は卓越した技術が求められます。弱すぎず強すぎず そして全体を通じて均質に仕上げなければなりません。機械織は均質で速く製織することが可能ですが手織りと比べるとどうしても硬さが残ります。一方 手織りで製織された織物は 空気を含んだような「しなやかさ」の中にも安心感のある強さというものが感じられ、そのしなやかさが体に吸い付くような締め心地の良さに繋がるのです。
伝承され続ける技を極められる職人さんあってこそ我々はこの美しい布に触れることができるのです。
伝統を継ぎ、時代を紡ぐ
――宮平一夫氏が拓く首里織の新たな景色
人間国宝として首里織の復興に生涯を捧げた母・初子氏。その類まれな技と志を受け継ぎ、次代へと繋いでいるのが長男の宮平一夫氏です。
一夫氏は最初から織物を志していたわけではありませんでした。東京でサラリーマン生活を送り、沖縄へ帰郷した後は司法書士事務所を営む父を手伝いながら司法試験を目指す日々。しかし、書類作成に追われるなかで「自らの手で生み出すモノづくり」への渇望が次第に芽生えていきます。そんな折、母から強く勧められたことを契機に、37歳という異色の経歴で織物の世界へと飛び込みました。
夫婦で挑んだ独学の再現
――母を驚かせた「花倉織」
初子氏と沖縄伝統工芸指導所で、一年間の修行を経て、当時薬剤師として薬局を営んでいた妻・早苗氏とともに自身の工房を立ち上げます。
二人は母の工房から借りた小さな端切れを手がかりに、道具の製作から織りの構造にいたるまで、すべて現物を分解・観察しながら見よう見まねで織機を動かしました。
試行錯誤の末、ついに完成させた最高難度の織物「花倉織」。それを見た初子氏が「いったい誰に習ったのか」と驚愕したほど、二人の探求心は誰も教えていないはずの複雑な技法を、観察と情熱だけで見事に再現してみせたのです。
南国の原色から「淡く優しい中間色」へ
――現代の街と装いに調和する美
かつての沖縄の織物は、南国の強い日差しにも負けない赤や黄、藍といった鮮やかな原色が主流でした。しかし、若き日に東京で15年近く暮らした二人にとって、その力強い色彩は現代の生活空間にしっくりと馴染むものではありませんでした。
「現代の暮らしや街並みに溶け込む、洗練された色を届けたい」。
二人は伝統の枠を越え、淡く柔らかな「中間色」を取り入れた作品づくりを始めます。当初は「沖縄らしくない」という声もありましたが、京都や東京の市場や顧客からは大絶賛をもって迎えられました。しっとりとした街並みや現代人の肌色には、力強い原色よりも、二人が紡ぎ出す優しいニュアンスカラーこそが美しく調和したのです。
「変わることを恐れない挑戦こそが、伝統を未来へ残す道」。
確かな手技と時代を捉える洗練された美意識で、宮平一夫氏は首里織の新たな可能性を切り拓き続けています。
現在は息子さんの晋甫氏が工房を継ぎ、一夫氏は制作・後進育成を通じて首里織の質と伝統を支える存在となっているのです。
宮平一夫 (早苗) 宮平首里織工房
1946年 沖縄県那覇市生まれ
1970年 中央大学法学部政治学科 卒
1983年 宮平織物工房にて織物研修開始 母初子氏の指導を受ける
1984年 沖縄伝統工芸指導所にて織物研修
同年 京都 日本きもの染織工芸会主催 新人染織展入選
同年 妻早苗とともに首里織工房開設
1986年 日本工芸会入選(早苗)
1988年 日本民藝館展 奨励賞(大阪民藝館買上げ)
1989年 日本民藝館展 入選(早苗)
1992年 沖展 入選(早苗)
同年 日本民藝館展 入選
製造工程を動画で紹介されており、大変参考になりますので是非ご覧ください。
華やかに見える沖縄の染織物ですが、明治初期の琉球処分による不遇の時代や第二次世界大戦で壊滅的な被害を受けるなど、幾度も訪れた消滅の危機を先人たちの血のにじむような努力と染織に対する情熱により乗り越え、今なお人々の心に響く作品が生み出されているのです。
琉球王朝の時代か織継がれる高貴な手織り物「首里ロートン織」人間国宝 宮平初子氏の技と精神を受け継ぐ宮平一夫作。優美な紫の地に、モダンな縞に浮織の幾何学美が幻想的な陰影を放ちます。琉球王朝の格式と現代的な洗練を兼ね備え、上質な紬や御召し、小紋などの帯周りを凛と引き締め、装う喜びを実感できる逸品。滅多にお目に掛かることの出来ない希少品です。お目に留まりましたら是非お手元にお迎え下さい。
スポットガーデン 筑摩和之
モデル画像はAI作成イメージですので不自然な箇所がございますがご容赦ください。
※写真と実物とはモニター環境などにより、若干異なって見える場合がございますので予めご理解ください。
※価格にお仕立て代は含まれておりません。
※お仕立てをご依頼の場合には、オプションからそれぞれの項目をお選びください。
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【お仕立てについて】
お仕立て期間:約3週間
※年末年始 GW お盆など長期休暇を挟む場合は余分にかかりますのでご了承ください。
※国内手縫い仕立て
【九寸名古屋帯】
1「名古屋帯仕立て」5,400円
手先からお太鼓までを半分に折って芯を入れて仕立てる
※最も一般的なお仕立て方法です。
2「開き仕立て(裏地無し)」9,720円
手先を半分に折らずに全て平らにして芯を入れて仕立て、手先から胴巻きの部分に裏地をつけない
3「開き仕立て(裏地付き)」12,420円
2の開き仕立てで裏地(モス)をつける仕立て
※裏地の色はお任せになります。
(帯ガード加工)
・雨やお食事時にも安心のガード加工:3,240円
