【産地】京都 西陣
【品質】絹 金属風糸含む
【製法】綴れ織 手織り
【製造者】安田仁司 伝統工芸士
【着用時期】9月~翌年6月頃(袷・単衣)
【長さ】仕立て上がり約370cmにさせていただきます。
※最大約370cmです。
本綴れ~これぞ本物~伝統工芸士 安田仁司 作
綴れ織り専用の機を用い、諸撚り糸(2本の糸に強い撚りを掛けて1本の糸に仕上げたもの)を使用した平織り手織物「綴れ織」。緯糸を包み込むように織る為、縦糸が隠れて見えず色柄がはっきりと現れるのが特徴です。くっきりと現れた多色ボーダーは竹筬(たけおさ)を用いて打ち込まれています。ステンレス製の筬が主流になった中で竹素材の筬は非常に貴重であり現在では殆ど製造されていません。また綴れ織専用の竹筬を作っておられる職人が今は居られず、機屋さんがストックでお持ちの筬が無くなったらそれで終わりなのだそうです。竹素材の為、糸に不必要な力が加わらず労わるように打ち込む事が可能であり織り上がった帯がよりしなやかに仕上がるのです。
縦糸は隠れて見えず緯糸のみが表に浮き出るのが綴れ織りの特徴です。その為柄の色がくっきりと現れます。
爪掻き本綴れ
本品は縞模様の本綴れですので爪掻きの技法を用いておりませんが、柄が織り出された綴れ帯の場合は柄部分を製織するために「爪掻き」と呼ばれる技法を用います。「小杼※柄専用の緯糸を縦糸に通す道具」で縦糸を救いながら柄に仕上げていく際に、ヤスリを使ってノコギリの刃のようにギザギザに研いだ爪で縦糸を掻くように緯糸を押さえ込んでいくため「爪掻き本綴れ」と呼ばれます。柄と柄、また無地場の繋ぎ目に隙間が現れるのが爪掻き本綴れの特徴でその隙間の事を把釣孔(はつりこう)と呼びます。複雑な柄の爪掻き本綴れだと1本の帯を織り上げるのに熟練の職人でも3ヶ月程度ほかかるのだそうです。
※本品の製造者である安田氏も爪掻き本綴れの伝統工芸士です。
西陣織工業組合組合員番号 2474(爪掻き本綴れ)
安田織鴻(やすだおりこう) 安田仁司 伝統工芸士
80歳を超えてなお職人として機を織り続ける伝統工芸士。一人で活動されていますので引退されれば工房の灯が消えてしまいます。
世界に誇る織の技 「西陣織」
室町時代 応仁の乱(1467年〜1477年)が終わり、各地に離散していた織職人達が西軍の陣地が置かれた辺りに集まり織物を再開し、織物の町として栄えました。
西軍の陣地跡からその地域を西陣と呼び「西陣織」の名が付きました。以降500年以上に渡り織物の名産地としてその名を馳せ現在においても日本最大の産地として着物業界において無くてはならない存在になっています。
爪掻き本綴れ独自の紫色の眼鏡型証紙 西陣織工業組合発行
※本品は縞柄の為、爪掻きの技法は用いておりませんが正真正銘の本綴れ織りであり、伝統工芸士 安田仁司氏が製作されたお品として「爪掻き本綴れ」のくくりに位置づけられておりますので証紙が発行されています。
手織りの魅力
「とんとん♪ とんととん♪」ただひたすら機に向かい緯糸を打ち込んでいく。布の声を聞きながら糸を労わるように、しかし力強く織り進める手織りの作業は心を乱す事が許されない正確さが求められます。それは自分自身と向かい合い我を見つめ直すかのような作業であり、集中力と根気強さを必要とします。高度な技術と人の感度によって糸の状態や湿度などを見極めて打ち込み具合を加減する。機械織りでは決して感じることが出来ない安心感は手仕事がもたらす温もりであり、体に沿いギュッと締まる心地良さが手織り最大の魅力なのです。
縦糸を包むように製織していますので、縦方向の小さな畔が現れています。
竹筬を用いて繊細でありながらしっかりと緯糸が打ち込まれる手織りによって、ギュッと締まる抜群の風合いの織物に仕上がっています。
付下げ、色無地から紬のお着物まで
本品は部分的に銀糸が織り込まれていますので煌びやかな雰囲気を漂わせます。付下げや色無地といったセミフォーマルなお着物をカジュアルテイストに仕上げるアイテムとして、また紬を上品カジュアルに着こなすなどオールマイティにコーディネートしてお楽しみください。主張しすぎないボーダー模様が着姿をお洒落に演出します。
日本が世界に誇る伝統織物「西陣織」希少な本綴れ帯。紫証紙が発行された正真正銘の本物です。伝統工芸士 安田仁司氏のてによってカジュアルなボーダーを品良く仕上げ上質な風格を漂わせます。期間限定特別販売となりますのでお目に留まりましたらお見逃しなくお求めください。
スポットガーデン 筑摩和之