ホントにお得?勘違いしてはいけない販売テクニック全2回

 
着物を安く買えた!
ホントですか?

☆正絹の高級反物5,000円!(ただし必ず当店でお仕立てして下さい)☆

という企画があったら飛びつきますか?
実際にこれと良く似た集客はよく見かけますね。(白生地予約とか)

これって呉服屋さんは損しているのでは?
と不思議に思いませんか?

おそらく損はしていません。

反物がどれくらいのランクのものかによりますが、高級品ではないはずです。(もちろん5,000円なんて事はありませんが)
そして、お仕立てを必ずセットで出さないといけないということがミソ。
しっかりそこで反物代の元は取って利益も出しているはず。

お仕立てを出さなければならないのは表向き【業者さんが買い占める恐れがあるから】というのもありますが、
実際はお仕立て代で最低限損しないようになってるからなんです。

話はそれますが、その昔 とある呉服屋さんが【振袖1円!】とチラシを出したところ、堅気ではない方がやって来て、100円を差し出し『振袖100枚』と言われて困ったという話を思い出しました。それ以来 そういったチラシを出す場合には【仕立てを必ず当店で】という注釈が記載させるようになったとか。

話は戻って、仕立て代で最低限の利益はまず確保しています。どれくらいの利益なのかは反物のランクと仕立てにガード加工も含ませているかなどによって変わります。

と、ここまでならお客様も、お得な買い物ができたかもしれません。。が。。

こういう企画の時には必ずセットの帯が用意されています。
もちろん店員さんは反物に合う帯を勧めて来ます、

『今回帯も凄くお得なのが入荷してるんですよ! 通常なら58万の品が半額の29万なんです! お着物を凄くお安くご購入できたんですからこの機会に是非!』

はい、帯をセットで購入した時点で反物を格安で購入したことがチャラになりました。

一見お得に買えたと思ったものが結局高い買い物に…なんて事に。気をつけましょう。

今日はここまで。

店主 筑摩和之

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ホントに安く買えた?勘違いしてはいけない販売テクニック②


商店街を歩いていると店先のワゴンに目がいき、
【帯締め100円!】という表示が。

思わず足を止めて物色してしまいますよね。

確かに安いです。もちろん原価割れ。

この店は激安店なんだなと思うはずです。

そうしてお気に入りの帯締めを見つけてお勘定に向かいがてら、店内の着物や帯に興味を示して眺めていると、当然店員さんが声を掛けてきます。

「このお着物ステキでしょ〜 〇〇さん作の 逸品ものでなかなか当店でも入荷しないんですよ〜 普通なら100万はする代物なんですが、今回特別にメーカーさんに協力いただいて、半額の50万なんです! 今日だけの特別価格なので是非ご試着してみて下さい!試着だけならタダですよ!」

半額!安い!

心が動きますね。

試着だけでもと畳の上に上がって店員さんに着せ付けてもらって鏡を見ると、凄く良くって自分でもうっとり。

「よくお似合いですよ〜 お顔映りもよくて明るい表情になりますね〜 」

確かに素敵だけど、さすがに50万は高いなぁー と考えていると

男性店長がやってきて

「お支払い方法ならご相談にのりますよ! クレジットカードでもローンでも 月々のお支払いに無理がないように。」

ちょっとここで一呼吸。

相手は販売のプロ。

本当に100万の価値があるものが半額?

鵜呑みにしてはいけません。

そう簡単に半額に出来る何て事はありません。

こういう販売方法をとっているところは簡単に信用してはいけません。いつでも同じ手法でお客様に勧めています。

●店先に驚くほど激安な商品が並んでいる
ここは激安店なんだと思い込む

●店の奥には高価な着物が並んでいて半額だという
激安店だから半額なんだと錯覚する

●必ず試着だけならタダですからと試着させる
試着すると、やはり欲しくなる
※試着中だから逃げられない

●悩んでいると、更に値引きと支払い方法の提示
考える暇もなく購入していまう

☆後から後悔。。。

今日だけ半額、貴方だけ半額。本当?

もう一度ゆっくり考えましょう。

100円の帯締めだけを買って帰るのが1番のお得です。

そして、簡単なアンケートという名目で 住所や電話番号を書いてはいけません。

お客様の名簿取りもお店の目的です。
安易に書くと、勧誘電話の嵐にみまわれますのでご注意を。