お仕立てについて
八掛色合わせのコツ
★知っていて損はない【色の組み合わせの参考】
『色の組み合わせには、70:25:5 の法則がより美しく』
全体の面積を100とした時に 70%=ベースカラー 25%=メインカラー 5%=アクセントカラーという感じです。
着物姿で言うと。
【着物や帯の地色=ベースカラー】【柄の色(または帯の地色)=メインカラー】【小物の色=アクセントカラー】というイメージではないでしょうか。
ですから、ここで八掛地の色を、着物と同色(または同系色)にするとベースカラーとしての位置付けになりますし、反対色(補色)にするとアクセントカラーとしての位置付けになります。
※実際には彩度(鮮やかさ)や明度(明るさ)の差を付けて組み合わせる方がより馴染んだ色の組み合わせになります。
色には色相環というのがあり、
赤→橙→黄色→黄緑→緑→青緑→青→青紫→紫→赤紫→赤の順に移り変わっていきます。
赤→橙→黄色→黄緑→緑→青緑→青→青紫→紫→赤紫→赤の順に移り変わっていきます。
下の図が色相環と呼ばれるもので、隣り合った色が類似色であり、正面の色が反対色(補色)になります。
下の相環図で距離の近い位置にある色同士の組み合わせが落ち着いた印象になり、距離の遠い位置にある色を組み合わせるとインパクトのある個性的な印象になります。
また、色の明度に差をつける方が優しい(馴染んだ)印象になります。
※実際には、もっと細かく色分けされますし、明度・彩度も関係してきます。(図は内側に行くほど明度は高くなっています)
※一つの色を10秒ほど凝視してください。そして目を離すとぼんやりと残像が残りませんか?
その残像の色が反対色です。(科学的な根拠があるのが色相環です。)
下の赤色を10秒見て下さい。そして白い部分に目を移すとぼんやりと青緑の残像が見えませんか?
同系色と反対色の組み合わせの例を見てみましょう。
【八掛の色合わせのポイント】
着物を仕立てる時に見落としがちなのが八掛の色ではないでしょうか。
裏地だからとおろそかにすると、いざお召しになった時に全体がアンバランスな印象になってしまいます。
袖口からのぞく八掛の色は意外とコーディネートのキーポイントになります。
裏地だからとおろそかにすると、いざお召しになった時に全体がアンバランスな印象になってしまいます。
袖口からのぞく八掛の色は意外とコーディネートのキーポイントになります。
※歩く姿を後ろから見ても裾がめくれたときに八掛が見えますね。
【上品に落ち着いた雰囲気に仕上げるなら】
着物のベースになる地色と同系色にするのがオススメです。
※上の相環図の距離が近い色同士。
着物の色に対して濃目にすると締まりのあるアクセントになりますし、薄目にすると柔らかく明るい印象になります。同色にするとフォーマル感が生まれます。
※訪問着や色無地は、八掛地の色は着物の地色と同色ですよね。
八掛地を着物と同系色にする事で、帯や帯締め帯揚げなど小物とも合わせやすくなりますので幅広いコーディネートが出来ますし、帯や小物との色合わせも容易になります。
同系色の八掛を合わせた例
同色で明度だけが異なる色を合わせれば一番調和のとれた印象に仕上がります。
ベージュの着物に同じ茶系の色を合わせても、若干別の色味が混ざる事でそれぞれ違った印象になります。
同系の茶色はより無難で上品に仕上がり、少し緑味の茶系を合わせればモダンなお洒落感とまとまりのある印象に。
また赤味の強い茶系を合わせればメリハリが出て個性的になる反面、小物や帯の組み合わせが難しくなってしまいます。
※一言で同系色と言っても明度(明るさ)の違いや少しの混色が違えば全く違った印象になります。
同じように紫の着物の八掛を同系色で明度の違う色目をコーディネートしても赤味の紫の着物には赤味のある紫の八掛がしっくりとまとまります。青味の紫を付ければ個性的に仕上がります。
【個性的なお洒落をお楽しみになりたい場合は】
地色と反対色(補色)などを選ばれると良いでしょう。
色相関の反対側の色を合わせると、八掛の色がアクセントになり着物の色を引き立てる効果があります。
但し、鮮やかな色同士で反対色の組み合わせは”きつい”印象になってしまうので明度に差をつける方が無難です。
また、八掛を際立つ色にするとお洒落な反面、帯や小物との色の組み合わせも考慮しないといけませんのでコーディネートが少し難しくなります。
着物をたくさんお持ちの方などにはおススメです。
特に、同じような色合いの着物をお持ちの場合には、八掛の色を変えることで上品な雰囲気にしたり、明るく華やかな印象にしたり着こなしを楽しむことが出来ます。
濃い色の着物に合わせる場合は明度を変えると優しい調和のとれた印象に仕上がります。
【一般的には明度の同じ色同士の組み合わせよりも、差をつける方が調和のとれた印象になります。】
【着物の色とは違った色にして且つ、コーディネートし易くするには】
着物の柄に入っているどれかの色と同色にするものお洒落です。
そうすれば、小物や帯との組み合わせも、八掛の色を個別に考慮しなくてもよくなり合わせやすくなります。
八掛の色の組み合わせでNGというものは無く、ご自分の好みやお召しになるシーンでお決めになればいいのではないのでしょうか。
不安な場合はお気軽にご相談下さい。お客様のご希望のイメージでご提案させていただきます。
コメントはまだありません。