鹿児島の魅力が詰まった大島紬
紫芋染め 7マルキ片ス式 切子文様 摺り込み絣
【産地】鹿児島県
【製造元】窪田織物(株)
【品質】絹100%
【染色】紫芋 摺り込み部分:化学染料
【製織】手織り(高機)
【生地幅】約38.5cm(裄丈約71cm 1尺8寸7分まで対応)
【着用時期】10月頃から翌年5月頃(袷の季節)6月 9月(単衣の季節)
高貴な印象を漂わせる紫色が異色の美しさをかもし出す大島紬 切子模様のモダンなお洒落さがオリジナル感たっぷりの着姿を演出してくれます。
フランスのゴブラン織 ペルシャ絨毯と並び 世界三大織物の一つに数えられる大島紬 その複雑な絣模様の美しさ 抜群の軽さが生み出す着心地の良さ シュッシュッと粋な絹鳴りの響き 日本において結城紬同様 着物好きさんなら誰もがご存知ではないでしょうか。
大島紬を既にお持ちの方も多い事と思います。
そんなメジャーな大島紬の中にあっても非常に珍しいお品が紫色に染め上げられた本品「紫芋染め」の絣大島です。
鹿児島の魅力が詰まった大島紬
糸染めの原料と薩摩切子文様
紫芋染め

古来 紫色は高貴な色とされ身分の高い者の象徴とされていました。日本において紫に染める染料としては紫根(ムラサキ草の根)が代表的でとても高価なものでした、また世界的には貝紫が紫色の染料として用いられていました。
本品は 製造元である窪田織物さんが紫色の大島紬を作るにあたって地場の原料を使いたいと考えられ、鹿児島県が薩摩芋の生産地あることから紫芋に着目されたのです。
しかし鹿児島では99%が焼酎の原料となる薩摩芋で紫芋は殆ど生産されていません。そこで世界遺産 屋久島の農家と契約し紫芋の生産を委託されそれを原料として染色されるようになりました。
ざく切りにした紫芋を酢酸など溶剤を混ぜた水に浸すと紫色の元となる染料が出てきます。
代表的な大島紬の染色「泥染」同様に「締機(しめばた)」によって絣締めされた「絣むしろ」をその染料に浸け媒染し乾かす。この作業を何十回と繰り返して綺麗な深みのある紫色に徐々に染め上っていきます。そして染色回数を調節することで彩度の異なる紫に染め柄に濃淡を付けて立体的な奥行が表現されているのです。
紫芋で染めされた大島紬は肌触りの良い地風に仕上がるとともに洗練された大人の魅力たっぷりの色合いをご堪能頂けます。
薩摩切子をモチーフにしたモダンなデザイン

薩摩切子は鹿児島県を代表する伝統工芸品です。切子ガラスをモチーフにしたデザインは粋さとモダンさを併せ持ちます。
菱を並べた構図はどこか古典的な雰囲気を漂わせながらも現代的でクリアーな印象も感じられ 一般的な大島紬にはない都会的なお洒落さを漂わせます。
ガラス細工の透明感や奥行を糸の濃淡によってグラデーションを生み出すことで見事に再現されており 類まれなる技術力を垣間見る事が出来ます。
摺り込み染色
上の画像を見ると部分的に黄色・ブルー・グリーンの色で染められているのが分かると思いますが、これは「絣むしろ」の状態で他の色を染める部分を解いてそこに専用のヘラを使って色を摺り込んでいくことにより染色されており、単色の大島紬よりも更に1工程手間暇をかけて作り上げられます。
※下左 絣筵(かすりむしろ)を部分的に解き(目破り) (右)解いた部分に色を摺り込みます。

7マルキ 片ス式
本品は7マルキ 片ス式の配列の大島紬です。
「マルキ」とは タテ糸に用いられている絣糸の本数を表す単位の事で、
1マルキ=80本の絣糸を意味します。
ゆえに7マルキ=7×80=560本の絣糸がタテ糸に用いられている事になるのですが 本品は片ス(かたす)式の構成になっていますので560本の半分 280本の絣糸がタテ糸に用いられています。
そして配列は絣糸1本 地糸3本が繰り返されています。
※地糸とは絣の入っていない無地の糸。
片ス?なにそれ?と聞きなれない方も多いのではないでしょうか。
元来 大島紬のタテ糸構成は絣糸を2本並べてその間に地糸を入れ込むもので それを一元(ひともと)と呼びます。
元=2を表し 一元=2本の絣糸の事を意味します。
それを基本として7マルキ=560本の絣糸が15.5算(1240本)の総本数の中に使用されているという事なのです。しかし片ス式と呼ばれる絣糸1本に対して地糸を間に配する構成の絣が開発され 現在製造されている殆どの大島紬が片ス式となっています。
※片ス=1本抜くという意味からその名が付いたという説が有ります。
※ヨコ糸は 絣糸2本 地糸2本の配列で打ち込まれていきます。
7マルキ片ス式で製織された大島紬は絣の粒々がローマ字のTの形に見えるのが特徴です。
大島紬は2度織る
大島紬は明治時代中頃まで芭蕉で糸を括り防染していました(本場結城紬と同じ手法です) 明治40年頃に「締機(しめばた)」と呼ばれる手法が開発され飛躍的に生産能力が向上し現在のような細密な絣柄が作れるようになりました。
下の画像左が締機の工程です。
タテに白く見えるのは木綿の糸で、ヨコに絹糸を織り込んでいきます。
木綿糸で染めたくない部分を挟みこみ防染します。
こうして織上がったものを絣筵(かすりむしろ)と呼びます。
織上がった絣筵を本品の場合は紫芋から抽出した染料に浸けて揉み込むことで木綿糸で挟まれていない部分が紫色に染まっていくのです。
この締機の工程は締めが甘いと絣が滲んてしまう為 強い力が必要とされますので 主に男性の仕事です。
染め上がった絣筵を全て解き完成した絣糸と無地の糸を機に掛けて手織りで製織されて大島紬が完成します。
また写真右は高機で手織りされる様子ですが 絣がズレないよう繊細さが必要となり 主に女性の仕事とされています。
これが「大島紬は2度織る」と言われるゆえんなのです。

本品【紫芋染め 本場大島紬 7マルキ片ス式 】
深みのある美しい紫色が奏でる大人のお洒落さと、切子模様の現代チックなデザインが本当に素敵です。
「大島紬は持っているから」という方にも是非お持ちいただきたいお品ですのでお目に留まりましたらお手元にお迎えいただきましたら幸いです。
※写真と実物ではモニター環境などによって若干色が違って見えることがございます。
※価格にはお仕立て代は含まれておりません。(お仕立てはオプションよりご注文下さい)
※ご購入手続き完了後、すぐに注文確認メールが届きます。(自動配信メール)
その後、通常24時間以内に店舗(店主 筑摩)よりお仕立て内容についてのメールを送りますので今しばらくお待ちください。
お仕立てに関して詳しくはこちらをご覧ください。
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本品は天然染料を使用しており化学染料に比べると色落ちし易くなりますので念のためガード加工をおススメ致します。
※織元様からは色落ちに関して神経質になるほどでは無いとはご説明頂いております。
※湿った状態で擦れると色落ちの危険性が増しますので水を弾くガード加工が色落ち防止に繋がります。ただし 100%防止するものではございませんので予めご理解の上お買い求め下さい。
★八掛地の色をお任せでご依頼される場合は「八掛色NO」記入欄に『同系色おまかせ』『反対色おまかせ』『○○色系おまかせ』などとご記入下さい。こちらで色を選定後、メールにて最終確認させて頂きます。