屋久杉染 本場大島紬
世界自然遺産 屋久島からの贈り物
悠久の恵みを頂いた絣の女王
薩摩切子の透明感と優しさを漂わせる色彩
【産地】鹿児島県
【製造元】窪田織物(株)
【品質】絹100%
【染色】屋久杉染 ※柄部分は化学染料(摺り込み)
【製織】手織り(高機)
【生地幅】約39.5cm(裄丈約73cm 1尺9寸3分まで対応)
【着用時期】10月頃から翌年5月頃(袷の季節)6月 9月(単衣の季節)

屋久杉染 本場大島紬
世界自然遺産 屋久島に自生する樹齢1000年を超える屋久杉から抽出した染料で草木染めされた上質な絹糸に個性豊かなお洒落さを漂わせる薩摩切子の絣文様が織り出された大島紬。
媒染によりほんのりと青緑がかった極薄グレーに染め上げられた地色に摺り込み染色の技法で表現された3色の紫系の切子模様 そしてブルーのダイヤ菱が優しく上品な色彩で浮かび上がります。柔らかな色のグラデーションと丸みを帯びた曲線、そしてスーッと伸びる切子模様の先端からは何とも言えない麗美な女性らしさが伝わってきます。
フランスのゴブラン織 ペルシャ絨毯と並び 世界三大織物の一つに数えられる大島紬 その複雑な絣模様の美しさ 抜群の軽さが生み出す着心地の良さ シュッシュッという絹鳴りの粋な響き 日本において結城紬と並び称され 着物好きさんなら誰もがご存知の織物ではないでしょうか。
着物愛好家の憧れ大島紬を既にお持ちの方も多い事と思います。
そんなメジャーな大島紬の中にあっても屋久杉染は希少なお品であり かつお洒落な着姿を際立たせるのが「屋久杉染 切子絣」なのです。
世界自然遺産 屋久島~屋久杉染め~

鹿児島県佐多岬の南南西60kmに浮かぶ島「屋久島」豊かな自然が残され面積の90%が森林であるこの島は世界自然遺産に登録され 2000m級の山々が連なるため亜熱帯から亜寒帯に及ぶ多様な植物が自生しており屋久島は「人類の至宝」とまで称されています。
その樹木の1つに「屋久杉」があり、通常の杉の木が約500年の寿命であるのに対して樹齢1000年を超えるものが屋久杉と呼ばれています。(1000年に満たない杉を小杉と呼びます)また、屋久杉の中でも樹齢6000年を超えるとされている縄文杉はあまりにも有名ですね。
※縄文杉は品種名ではなく特定の1本の杉に名付けられた固有名詞です。
屋久杉染め

屋久杉は自然保護により 伐採が制限されている為、特別に断片を入手し原料として用いられます。木片を数時間煮沸騰させた液で糸を染めた後、媒染によって色を発色させます。
原料となる屋久杉が入手困難な事や染色に時間がかかるため非常に貴重な染であると言えます。
本品は地糸(無地の糸)および絣糸の無地部分を屋久杉染めし媒染する事で非常に優しい青緑味を帯びた極薄グレーの地色に染め上がっています。
最初に本品を見た時に「白大島?」と一瞬勘違いしてしまいましたが 柔らかな有色がはんなりとした着姿を演出してくれるのです。
また屋久杉は樹脂分が多く含まれるため、染め上がった糸が優しい風合いになり大島紬特有のシャリっとした中にも滑らかな肌触りを感じる事が出来るのです。

薩摩切子が放つ美しくモダンな透明感
薩摩切子は鹿児島県を代表する伝統工芸品です。その切子ガラスをモチーフにした絣のデザインは粋さとモダンさを漂わせ かつ神秘的な女性らしさを感じさせてくれます。
ガラス細工の透明感や奥行を微妙に異なる3色の紫濃淡によってグラデーションを生み出し、スーッと伸びる柄の先端が光の輝きを表現することで見事に切子の魅力が再現されており 類まれなる技術力とセンスの高さを垣間見る事が出来ます。
摺り込み染色
上の画像を見ると部分的に紫・ブルー・グリーンの色で染められているのが分かると思いますが、これは「絣むしろ」の状態で色を染める部分を解き、そこに専用のヘラを使って色を摺り込んでいくことにより染色されており、単色の大島紬よりも更に1工程手間暇をかけて作り上げられます。
※下左 絣筵(かすりむしろ)を部分的に解き(目破り) (右)解いた部分に色を摺り込みます。

7マルキ 片ス式
本品は7マルキ 片ス式の配列の大島紬です。
「マルキ」とは タテ糸に用いられている絣糸の本数を表す単位の事で、
1マルキ=80本の絣糸を意味します。
ゆえに7マルキ=7×80=560本の絣糸がタテ糸に用いられている事になるのですが 本品は片ス(かたす)式の構成になっていますので560本の半分 280本の絣糸がタテ糸に用いられています。
そして配列は絣糸1本 地糸3本が繰り返されています。
※地糸とは絣の入っていない無地の糸。
片ス?なにそれ?と聞きなれない方も多いのではないでしょうか。
元来 大島紬のタテ糸構成は絣糸を2本並べてその間に地糸を入れ込むもので それを一元(ひともと)と呼びます。
元=2を表し 一元=2本の絣糸の事を意味します。
それを基本として7マルキ=560本の絣糸が15.5算(1240本)の総本数の中に使用されているという事なのです。しかし片ス式と呼ばれる絣糸1本に対して地糸を間に配する構成の絣が開発され 現在製造されている殆どの大島紬が片ス式となっています。
※片ス=1本抜くという意味からその名が付いたという説が有ります。
※ヨコ糸は 絣糸2本 地糸2本の配列で打ち込まれていきます。
7マルキ片ス式で製織された大島紬は絣の粒々がローマ字のTの形に見えるのが特徴です。
大島紬は2度織る
大島紬は明治時代中頃まで芭蕉で糸を括り防染していました(本場結城紬と同じ手法です) 明治40年頃に「締機(しめばた)」と呼ばれる手法が開発され飛躍的に生産能力が向上し現在のような細密な絣柄が作れるようになりました。
下の画像左が締機の工程です。
タテに白く見えるのは木綿の糸で、ヨコに絹糸を織り込んでいきます。
木綿糸で染めたくない部分を挟みこみ防染します。
こうして織上がったものを絣筵(かすりむしろ)と呼びます。
織上がった絣筵を本品の場合は屋久杉から抽出した染液に浸て紗沸騰することで木綿糸で挟まれていない部分が染まっていくのです。
この締機の工程は締めが甘いと絣が滲んてしまう為 強い力が必要とされますので 主に男性の仕事です。
染め上がった絣筵を全て解き完成した絣糸と無地の糸を機に掛けて手織りで製織されて大島紬が完成します。
また写真右は高機で手織りされる様子ですが 絣がズレないよう繊細さが必要となり 主に女性の仕事とされています。
これが「大島紬は2度織る」と言われるゆえんなのです。

※本場大島紬織物協同組合発行の「純植物染」証
※屋久杉染は窪田織物さんが登録商標されています。
※経済産業大臣指定伝統的工芸品
大島紬豆知識
下の画像を見ると大島紬の産地証明書にパンチで丸い穴が開けられているのがご覧いただけると思います。
織上がった大島紬を製品検査し合格したもに 証紙と反物を重ねてパンチで穴を開けます。これは証紙の貼り替えといった偽造を防止する為に行われています。
※反物にも穴が開けられています。
大自然からの恵みを受けた屋久杉染めの安らぎとしなやかさ、切子模様の洗練されたモダンなデザインがもたらすさり気なく自然なお洒落さ 。
大島紬を既にお持ちの方も、人とは違った大島紬を纏いたいという方も必ずご満足いただけるお品だと自信を持ってお勧めさせて頂きます。お目に留まりましたら是非お手元にお迎え下さいませ。
スポットガーデン 筑摩和之
※写真と実物ではモニター環境などによって若干色が違って見えることがございます。
※価格にはお仕立て代は含まれておりません。(お仕立てはオプションよりご注文下さい)
※ご購入手続き完了後、すぐに注文確認メールが届きます。(自動配信メール)
その後、通常24時間以内に店舗(店主 筑摩)よりお仕立て内容についてのメールを送りますので今しばらくお待ちください。

お仕立てに関して詳しくはこちらをご覧ください。
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※本品は薄色の為 紬向き(両駒)のボカシタイプの八掛地をおススメします。色目を重視される場合は縮緬向き(パレス)のボカシ八掛地からお選びください。
※無地の八掛地を付ける場合は胴裏地と八掛地との境目が表に移りますので予めご了承の上お選びください。
スポットガーデンがご提案するお色

★八掛地の色をお任せでご依頼される場合は「八掛色NO」記入欄に『同系色おまかせ』『反対色おまかせ』『○○色系おまかせ』などとご記入下さい。こちらで色を選定後、メールにて最終確認させて頂きます。