よねざわ新田
紅花を操り百色を奏でる
縦絽九寸名古屋
激レアアイテム




【産地】山形県米沢市
【製造元】(株)新田
【品質】絹100%
【着用時期】5月頃から10月頃(単衣・夏)
【長さ】お仕立て上がり370cmにさせて頂きます。
最大寸法:※垂れ先・グレーの場合約420cm ※垂れ先・黄色の場合約400cmが最大です。ご希望の長さがございましたらご注文手続きの際 フリー記入欄からお知らせください。
江戸時代中期 上杉鷹山公によって染織が発展した山形県米沢の地で五代に渡り機を織り続ける名門「よねざわ新田」。紅花染料を用いて100色を操るといわれる作品の数々が着物愛好家の心を魅了します。新田家五代目 新田源太郎氏が手掛ける単衣夏の名品を特別価格でご提供します。
目に優しく映る紅花染。かつて「紅花1斤・金1斤」とされる程に貴重な紅花染料を用いて鮮やかな赤(ピンク)と黄色をベースに藍など他の草木や化学染料を重ねる事で100色を操るよねざわ新田。ベーシックな縞模様というシンプルな柄を縦絽の織り技法で多彩な色を用いることで深みのあるニュアンスカラーに仕上げられています。また緯糸には強い撚りが掛けられた強撚糸が打ち込まれており、サラリとした手触りと肉厚感のある風合いに仕上がっています。
目に優しく映る紅花染。かつて「紅花1斤・金1斤」とされる程に貴重な紅花染料を用いて鮮やかな赤(ピンク)と黄色をベースに藍など他の草木や化学染料を重ねる事で100色を操るよねざわ新田。ベーシックな縞模様というシンプルな柄を縦絽の織り技法で多彩な色を用いることで深みのあるニュアンスカラーに仕上げられています。また緯糸には強い撚りが掛けられた強撚糸が打ち込まれており、サラリとした手触りと肉厚感のある風合いに仕上がっています。
新田さんの夏帯は非常に珍しく今回初めて手にする機会をいただきました。仕入れの際に新田源太郎氏とお話しする機会があり、男物の絽袴を製造した際にその技術を活かして初めて九寸名古屋帯を制作されたのだそうで、来夏は制作の予定はないとのことでした。ゆえに今夏だけのスポットアイテムとなりますので非常に希少なお品ですので是非お求めください。




紅花の歴史
紅花の歴史は古く、紀元前のエジプトでは染料として使用されていたことが分かっており、その後シルクロードを経由して3世紀末に日本に伝来し日本各地で栽培されるようになりました。
江戸時代においては山形県が全国の4割もの生産量を誇る一大産地として最盛期をむかえ、当時の日本の特産物を番付にした「諸国産物見立相撲番付」においては山形県の最上紅(もがみべに)が東の関脇。阿波の藍玉が西の関脇に選ばれていることからも、それらが国内2大染料だったことがうかがえます。
当地の気候や土壌が紅花の栽培に適していたこともありますが、最上川流域という立地が船による運搬に便利であったことも一大産地となった理由のようです。
当時高級染料として人気の高かった紅花は、最上川から日本海経由で敦賀に渡り京都へ運ばれました。
京の女性達の口紅や頬紅として、また着物の染料として使用されていた紅花はとても希少な染料でした。一般庶民は手に入れることが出来ず富裕層のみが利用できる超高級品であり、当然のごとく山形で栽培している農家の方にとっても無縁の存在だったのです。
明治時代に入ると安価な中国産の紅花の輸入や化学染料の普及により最上紅の栽培は急激に減少し、明治10年頃には壊滅状態になってしまいました。
そのような状況の中、戦後とある農家の納屋に残っていた紅花の種子が見つかり発芽したことをきっかけにして地元の方々の想いにより復興されました。
この復興に尽力したのが新田家三代目 新田秀次・富子夫妻であり、ご夫妻が紅花染に出会ったからこそ現在我々が紅花染の魅力を享受することが出来るのです。
その後、紅花の特性に目を付けた大手化粧品会社との栽培契約により再度盛隆を迎えた紅花産業ですが、その大手化粧品会社の撤退により急速に生産量は落ち込んでしまいました。
現在では本物志向の高級染料として、また機能性食材として栽培され山形県の県花にも指定されています。
緯糸に黄色の糸と極薄いグレーの糸を一定間隔で切り替えられており段模様が現れています。

緯糸を捩り縦糸を挟み込むことで縦方向の隙間が開いた絽織りになっています。一般的には横方向に隙間が開いているので縦絽は非常に高度な技術が必要となります。
新田さんの紅花染は黄色や赤だけではありません。紅花を下染めし他の染料を重ね染めすることにより無限の色を出しているのです。遠目には分からないのですが、縦糸には幾色もの色が用いられており深みのあるニュアンスカラーに仕上っています。遠目には黄色とグレーの横段に見えるのですが、実際には縦糸に黒、ブルー、黄色、紫、ピンク、グリーンなど様々な色が用いられています。


黄色っぽく見える部分は緯糸に黄色とアイボリーの糸が打ち込まれ、グレーっぽく見える部分は薄グレーとアイボリーの糸が打ち込まれています。

紅花染~紅一斤・金一斤~
「よねざわ新田と言えば紅花染」「紅花染と言えばよねざわ新田」全国にその名をとどろかせ、着物愛好家からも絶大なる人気を誇ります。
紅花から抽出される色素は紅色と黄色の2色です。
この黄色の色素は水に溶ける性質があるので染料として抽出するのは比較的容易です。
摘んだ紅花の花びらを水に晒すと黄色の色素が流れ出します。
その後、花びらを足でつぶして数日放置し自然発酵させると赤く変化します。それを臼ですり潰して煎餅状に形作り乾燥させたものを花餅(紅餅)と呼び江戸時代や京都へと運ばれていきました。
その紅色の色素は水に溶けない性質をもっているため灰汁によってアルカリ性にし、女性の口紅や頬紅といった化粧道具や糸を染める染料として重宝されていました。
紅花染料の中でも口紅や頬紅などに用いられる紅色は、生花の0.3%程度しか取れず「紅一匁 金一匁」と言われるほど高価な物でありましたので富裕層しか使うことが出来ず、京都の一般庶民はもちろん紅花栽培農家の人々でさえ無縁のものだったのです。

サラリとした手触り、若干の張りとしなやかな風合いに仕上げられています。



草木染の深み
紅花の花びらから抽出される天然染料の何とも言えない優しさと深みは決して化学染料では味わうことが出来ません。
そもそも草木染の魅力とはどこにあるのでしょうか。
昔は色を染める方法は草木染しかありませんでしたが化学染料の開発により均質で合理的そして色鮮やかに発色させる事においては化学染料がはるかに勝っており、現代では殆どの染物は化学染料が用いられています。
一方、草木染料は「全く同じ色を作り出すことが不可能であり、染まりづらく、手間暇が掛かり色が変化しやすい。」染料としてのメリットなど無いように思われます。しかし多くのデメリットをも凌駕してしまうほどの魅力が草木染にはあるのです。自然のものを原料にしているがゆえに様々な有機的な不純物が混ざっており、それらが干渉し合うことで色の深みが生まれるのではないでしょうか。目に映る色の向こう側に別の色が存在するとでもいいましょうか、それは科学的に解明出来ないかもしれませんが確かに人工的な染物とは違うのです。言葉では説明できない魅力が存在するからこそ「深みや味わい」といった曖昧な言葉でしか表現するしかないのです。
そして草木染の色は日々変化していきます。しかしその歩みはあまりにも遅く目に見えて変わるものでは有りません。
草木染料は染められた後も歩みを止めず糸に浸透していくのだそうです。そして浸透するにつれて徐々に深みが増して色が変化していくのです。
お客様の手元に渡ってからも日々成長していく草木染。その成長は実感できないかもしれません。しかし間違いなく貴女と共に人生を歩んでいるのです。身に着ければ身に着けるほど、時が経つほどに愛着が湧いてくるに違いありません。


新田家の歴史
山形県米沢市に工房を構える「新田」さん。
江戸時代初頭に武家であった新田家初代が豊臣氏五大老の一人であり米沢藩初代藩主「上杉景勝」とともに越後から米沢に移り住み、米沢藩の命により染織を始めました。時は進み1884年(明治17年) 16代当主「新田留次郎氏」が袴地製造織元として創業したのが現在において紅花染織の名門とうたわれる「新田」さんの始まりです。
品評会において高い評価を得、「米沢袴地といえば新田」とまで言われるほどの高品質な袴地を製造されるまでになりました。織元新田として2代目である新田熊雄氏の代には絽袴地など新製品を開発し更にその名声は高まったのです。
そして3代目 秀次氏と妻 富子氏が明治38年に紅花と出会い、紅花の復興に尽力し紅花染の基礎を築き上げられました。
新田家のたゆまぬ研究と努力により生み出される紅花染は他の染料と重ね染めすることにより百色を彩りその美しさは他の織糸を圧倒するほど素晴らしいものへと進化し、4代目 秀行氏が糸染から織物まで一貫して製造する織元として発展させたのです。
そして5代目 現当主 源太郎氏が跡目を継ぎ、「紅花染と言えば新田、新田と言えば紅花染」と全国に名を轟かせる織元として伝統工芸を守り進化させ続けておられます。




着物愛好家の憧れ「よねざわ新田」謹製「縦絽織り 九寸名古屋帯」紅花を用いて100色を操るといわれる色遣いがシンプルな縞模様に命を宿します。単衣シーズンから盛夏まで長期間お使いいただける優れもの。来夏は製造予定がない新田さんの貴重な夏帯ですので今後は手にすることが出来ません。お目に留まりましたら是非お手元にお迎えください。
スポットガーデン 筑摩和之


段染めカラー切り替えになっていますので、垂れ先の色をお選びいただけます。(お仕立て項目の選択からご指定下さい。)


※写真と実物とはモニター環境や画像処理の関係上、若干色目が異なって見える場合がございますので予めご理解ください。
※価格にお仕立て代は含まれておりません。
※お仕立てをご依頼の場合には、本ページに設置のオプションからそれぞれの項目をご注文と同時にお選びください。
【お仕立てについて】
【九寸名古屋帯】
夏用帯芯を使用します。
1「名古屋帯仕立て」5,400円
手先からお太鼓までを半分に折って芯を入れて仕立てる
※最も一般的なお仕立て方法です。
2「開き仕立て(裏地無し)」9,720円
手先を半分に折らずに全て平らにして芯を入れて仕立て、手先から胴巻きの部分に裏地をつけない
3「開き仕立て(裏地付き)」12,420円
2の開き仕立てで裏地(モス)をつける仕立て
※裏地の色はお任せになります。
【ガード加工(水気を弾く加工)】・・・3,240円
※撥水加工 雨やお食事時にも安心、また染料は水に濡れると色落ちしやすくなりますので色落ちを軽減させる効果があります。
※国内手縫い仕立てです。
※お仕立て期間
:名古屋帯仕立て:約4週間
:開き仕立て:約5週間
お盆・年末年始・ゴールデンウイークなどを挟む場合は1週間ほど余分にお日にちを頂きます。
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