村江菊絵 工藝染織 国画会作家
糸を操り 染を操り 織を操る
染織界の重鎮が奏でる絹のハーモニー
草木染 絣浮織り 九寸名古屋帯
長きに渡り染織界をリードする村江菊絵氏が奏でる美しい色彩と構図の妙
【製作者】村江菊絵 国画会作家
【品質】絹100% 純国産ぐんま200
【染色】草木:きはだ・茜・渋木 化学染料:緑下染めに使用
【製織】手織り
【着用時期】9月から翌年6月 袷 単衣
美しく透明感溢れるカラーリングに目を奪われ、気分が明るくなりウキウキしてしまいます。清潔感漂う白地に綺麗な若草色の絣横段が個性的な雰囲気をかもし出し、ブルー・オレンジ・イエロー・黄緑の浮織模様が優しくそして美しく輝いており何とも言えない魅力を感じてしまうのです。
本作品の製作者である国画会作家 村江菊絵さんの染織に対する愛情と情熱が詰まった作品を是非お手元に。
私が村江さんにお会いしたのは2019年の11月初め、京都の問屋さんでの展示会の時でした。綺麗なシルバーグレーの髪に眼鏡をかけ きちんとした身なりがとても上品で可愛らしい雰囲気を漂わせていた村江さん お会いした時の印象は 真面目で優しい聖職者みたい。商品の説明をしてくださる口調も丁寧に私と同じ目線に立ち静かに微笑まれていたのがとても心地良く この織物のように純粋さと透明感を感じたのです。
村江さんから商品説明をして頂き、にこやかな表情や優しい声を聞きながら作品を眺めていたのを覚えています。人の良さがにじみ出ているような純粋な可愛らしさの中にスッーと1本筋が通ったような清らかさ。私が抱いた村江さんに対する印象とリンクするかのような作品に今回再び出会うことが叶いました。
前回初めて出会った作品同様に今回も感じる事なのですが、失礼ながら御歳80歳を超えるとは思えない色彩感覚です。
度々感じる事ですが作家さんの作品を見て作者の年齢を予測するのは不可能だという事。時代の流れとともに自らの感性を磨き上げ 常に我々の一歩先を行く物作りをされています。終わり無き探求心を持ちながら生ある限り立ち止まらずに作り続ける精神とでも言いましょうか。それこそが新しいものを生み出す根源であると思い知らされるのです。
そして、年齢を重ねるが故の積み上げられた生き様により 作品に重みや深みが宿るのでしょうか。
浮織 宝石のような煌めき
本品は浮織の技法により、ブルー・黄緑・オレンジ・イエローの花織模様が織り出されています。この浮いた糸が光に反射することで絹本来の光沢をダイレクトに表現する事が可能となり、宝石が輝いているような美しさを放ちます。
浮織・・数法の糸を覆うように交差する糸で包み糸を浮かせる技法です。
本品は8本の縦糸を緯糸で被せて浮かされています。
浮織は綾織の組織では用いる事は出来ません。村江さんの作品は綾織のものも多いのですが平織だからこそこの浮織を施すことが可能となり平面の中に浮き出る立体感と共に、タテ糸とヨコ糸の接地面がない浮き糸は艶やかな光沢が出ますので、フラットな平織の表面に宝石のように映えるのです。
細手の糸を持ちいて製織された本品はシュッとした手触りでスキッとした非常に軽い織物に仕上がっています。
手織りの安らぎ
上質な絹糸を草木染めした後に手織りによって製織されています。
手織りの良さとは一体何なのでしょうか?
機械織のほうが均質で速く織上がりますが手織りでなければ味わうことが出来ない安心感が生まれるからなのです。糸の声に耳を傾けながら いたわるように緯糸を打ち込み織り進めることにより硬さを感じさせず、しなやかで適度な張りをが生まれ締め心地の良さに繋がります。
しかし一本の帯を均質に仕上げる為には高度な技術が必要とされることは言うまでもありません。
帯裏に浮織の遊び糸が渡っていませんので、もたつきの無いスキっとした風合いに仕上がっています。
草木染めの揺らぎ
草木染がもつ曖昧な揺らぎが優しさや柔らかさといった魅力を放ちます。化学染料のように草木染では思いのままの色が100%出せるわけではありません。しかし浸け込み時間の調整や媒染の際のペーハー値を計算しながら糸染めされ思いに近い色に染められます。しかしその時の条件によって全く同じ色を再現することが出来ない事が、生きている草木染の魅力であり 人はそれを深みや趣きと表現するしか術がないのです。
国産絹 ぐんま200
本品の原材料には群馬県碓氷製糸工場で生産されている「ぐんま200」の国産絹が用いられており、この品種は染付が良く美しい発色を放ちます。
海外産に依存している絹において 品質管理が行き届いた国産絹は日本での流通量の1%にも満たないほど貴重なものですが、純国産絹が放つ光沢としなやかな糸質は 染織技術の美しさを更に増幅させています。
村江菊絵 略歴
1937年 東京都文京区に生まれる
1957年 山脇学園短期大学卒
1975年 清野新之助氏に毛織を学んが後に紬織を独習
1975年~約20年に渡り国展に連続出品(1984年を除く)
1979年 日本民藝館展入選 以後毎年入選
柳悦孝氏 柳悦博氏の指導を受ける
1983年 国展入選
1985年 日本工芸会正会員 鳥巣水子氏に花織を学ぶ
1990年 92年 横浜シルク博物館奨励賞受賞
1996年 国画会会友に推挙される
2000年 国画会準会員に推挙される
2008年 国画会会員に推挙される
御歳80才を越えて今なお現役として染織界をリードする村江菊絵さんが生み出す至極の織物がスポットガーデン再登場です。
滅多にお目にかかる事が出来ない大変希少なお品となっております。
着姿を優しくお洒落に引き立ててくれるに違いありません。
お目に留まりましたら是非お手元にお迎え頂きましたら幸いです。
スポットガーデン 筑摩和之
お仕立てをご依頼の際には垂れ先を白にするかグリーンにされるかをオプション選択からご指定下さい。
※ご指定が無い場合は白(写真左)にさせて頂きます。
お太鼓の柄はイメージですので調節によって出方は多少異なります。
※写真と実物とはモニターや画像処理の関係上、若干異なる場合がございますので予めご理解ください。
※価格にお仕立て代は含まれておりません。
※お仕立てをご依頼の場合には、オプションからそれぞれの項目をお選びください。
【お仕立てについて】
【九寸名古屋帯】
1「名古屋帯仕立て」5,400円
手先からお太鼓までを半分に折って芯を入れて仕立てる
※最も一般的なお仕立て方法です。
2「開き仕立て(裏地無し)」9,720円
手先を半分に折らずに全て平らにして芯を入れて仕立て、手先から胴巻きの部分に裏地をつけない
3「開き仕立て(裏地付き)」12,420円
2の開き仕立てで裏地(モス)をつける仕立て
※裏地の色はお任せになります。
(帯ガード加工)
・雨やお食事時にも安心のガード加工:3,240円
※国内手縫い仕立てです。
※加工期間 約3週間
======================